TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.中川翔子 / Magical Circle

TVアニメ『魔法陣グルグル』2クール目ED主題歌のボーカルに中川翔子が登場!『グルグル』愛がたっぷり詰まった、華麗なオーケストラル・ポップスが音の魔法陣を描く!!

 

衛藤ヒロユキによる人気ギャグ・ファンタジー作品『魔法陣グルグル』。連載25周年を迎える今年、3度目のTVアニメ化となり、7月より放送が開始されている。OP主題歌はORESAMAが担当しており、1クール目の「Trip Trip Trip」に続いて、2クール目からニュー・シングル「流星ダンスフロア」が使用されている(※TECHNOBOYSも参加した「流星ダンスフロア」についてのインタビューはこちら)。

そして、ED主題歌も引き続きTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND(以下、TECHNOBOYS)が担当。前回のED主題歌「Round&Round&Round」では、ボンジュール鈴木をヴォーカルにフィーチャーし、優雅なテクノポップを聴かせてくれた(※「Round&Round&Round」についてのインタビューはこちら)。そして、今回の「Magical Circle」ではボーカリストととして中川翔子を迎え、華やかなオーケストラル・ポップスを展開。中川翔子の『グルグル』愛と、TECHNOBOYSによるシンセサウンドが融合した素晴らしい楽曲となった。

シングルにはこのほかに、奥井亜紀の歌唱による初代『グルグル』ED主題歌「Wind Climbing ~風にあそばれて~」のカバー、上坂すみれがボーカルを務めたTVアニメ『ダーティペア』のOP主題歌「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」のカバーを収録している。

※「Magical Circle」について詳しく話を聞いた、TECHNOBOYSと中川翔子のインタビューはこちら

「Magical Circle」

劇伴も制作してきたTECHNOBOYSによる『グルグル』サウンドの集大成とも言うべき華麗なるオーケストラル・ポップスが繰り広げられるこのナンバー。TECHNOBOYSがボンジュール鈴木をボーカルにフィーチャーした『グルグル』1クール目のED主題歌「Round&Round&Round」では80年代っぽいレトロなサウンドでちいさな冒険者たちの旅の始まりを描いていたが、今回はレベルを上げ成長した姿を映し出すようにそのサウンドはゴージャスかつ雄大。この曲のテーマでもある「ククリ」の魔法が進化しているように、主題歌もそれにつれて発展しているかのよう。そして、クライマックスへと向かう『グルグル』のストーリーと呼応するようにサウンドはダイナミックに奏でられる。まさにワクワクとドキドキが止まらない、ドラマチックな楽曲となっている。

今回は劇伴でも使用されているアナログシンセのほぼすべて20台、今年世界で25台のみ再生産されたMOOG III-Cも動員して楽曲を作り上げている。それら生み出す音色はいかにもシンセサイザーらしい電子音ではなく、メインとなる音色は実にナチュラルなもの。彼らが敬愛する冨田 勲が70年代に行った「生楽器の音色をアナログシンセでシミュレートしてサウンドを構築」という方法論を、現代のポップス・フィールドで試みている。フルートやピッコロ、オーボエなど主に木管楽器や、ティンパニなどの打楽器など精緻に再現したその音色に、イミテーションっぽさは皆無。本物と聴き分けられらない完成度だったり、またそれ自体独特な味わいもあったりする。なので唯一の生楽器であるストリングスとの重なりも違和感がなく、その調和は完璧だ。またイントロとアウトロでは鳥のさえずりという自然音も導入し、あたかも森や林の中を進んでいるような雰囲気も演出。『グルグル』の世界に飛び込んだような、音のイメージがますます広がる。

楽曲からはちょっと勇ましさも感じられたりするが、全体的にかわいらしさが先行してしまうのは、やはりボーカルを務める中川翔子のおかげ。ククリのイメージを注ぎ込んだ歌詞にありったけの想いを込めて歌う、その表情がひときわ魅力的だ。好きという最大級の魔法を最大限に表した歌声は、まるでキャラクターと同化したかのような純真さが満ちている。まさに選ばれし勇者……というか、『グルグル』を愛し、また愛されているような雰囲気さえも感じさせる中川翔子にふさわしい楽曲に仕上がっている。

ハイレゾでは空間の奥行きとパノラマのような音の広がりが印象的だ。Kurzweil K250による闊歩するティンパニの音や、Prophet T-8が奏でるピッコロやフルートのさざめく音色など、パレードのような祝祭感が漂う賑やかなサウンドを構成する要素は、存在感を強く表しつつもその動きが軽く、ファンタスティックなイメージをまとった音世界を鮮やかに描き出す。もちろんTECHNOBOYSならではテクノポップ感も忘れておらず、エディットされた中川翔子の声やそのエコー、また電子音のエフェクトなど、音の仕掛けをいろいろと盛り込んでおり、それらのサウンドも豊かな解像感で楽しむことができる。

「Wind Climbing ~風にあそばれて~」

1994年に放送されたTVアニメ『魔法陣グルグル』のED主題歌「Wind Climbing ~風にあそばれて~」をTECHNOBOYSがリアレンジ。ボーカリストには原曲の作詞・作曲を手がけ、またボーカルを務めた奥井亜紀を迎えている。『グルグル』のED主題歌を担当している新旧ふたつのアーティストが共演する、スペシャルなカバーとなった。

「Magical Circle」では、同じく奥井亜紀による『グルグル』第1作目のOP主題歌「晴れてハレルヤ」の歌詞にあった〈DANCE〉〈STEP〉の言葉を用い、『グルグル』主題歌へのリスペクトを表していたTECHNOBOYS。今回のカバーでは原曲の雰囲気を保ちつつ、彼ららしいテクノポップなアレンジを加え、懐かしくも新鮮なイメージが広がる、2017年最新のヴァージョンへとサウンドを更新している。

楽曲の大きな特徴としては、ガムランで使われる青銅楽器のような金属系の澄んだ音色をリズムとして取り入れていることが挙げられる。イントロではドーン!と重低音のキックを鳴り響かせ、ビートを強調していた原曲に比べると、こちらはよりリズムへとポイントを置いたアレンジだ。また聖歌隊ような美しいコーラスが背景として流れていることも、原曲からの大きな変化だろう。アジア的な音と西洋のハーモニーがミックスされた不思議な無国籍感と、あたかも浄化されるような聖なるイメージが楽曲全体から漂ってくる。

TVアニメ『18if』第5話のED主題歌「プルメリア」(作曲は奥井亜紀がTVアニメ『メカクシティアクターズ』第9話で歌った「アヤノの幸福理論」を手がけたカゲロウプロジェクトのじん)でも、その澄み切った歌声を披露していた奥井亜紀。清涼感をたっぷりと含んだボーカルは伸びやかで、ハイレゾではサウンドの暖かな空気感と相まって包み込むように響く。歌詞には〈転んでできた傷のいたみに みあう何かを求めたなら幻〉など、人生を省みるような言葉を多く織り込んでおり、明るいギャグを前面に打ち出したアニメの作風に対して、ちょっと異色な出来栄えである。大人になってから読んでみると、言葉一つひとつの意味の深さがよく理解できる。当時は子供だった、20年後のあなたに今、改めて聴いてほしい。

「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」

「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」や、「鏡の中のアクトレス」(TVアニメ『きまぐれオレンジ☆ロード』後期OP主題歌)などでも知られる中原めいこのヒット曲、1985年に放送されたTVアニメ『ダーティペア』のOP主題歌を今作にてカバー。そして、ボーカルに上坂すみれをフィーチャーしている。「Wind Climbing ~風にあそばれて~」が『魔法陣グルグル』共通のED主題歌ということで収録されているのに対して、こちらは中川翔子繋がり(中野ブロードウェイを愛する者同士)といったところか。ソビエトと『ボトムズ』とサブカルをこのうえなく愛する、21世紀のナゴムギャルこと上坂すみれ。彼女のラジオや『上坂すみれのヤバい○○』などからもわかるとおり、〈私 危険なロシアン・ルーレット〉というフレーズがここまで似合う人もそうはいないだろう。

TECHNOBOYSは上坂すみれに「恋する図形(cubic futurismo)」(TVアニメ『この美術部には問題がある!』ED主題歌)、「リバーサイド・ラヴァーズ(奈落の恋)」(TVアニメ『鬼灯の冷徹』第弐期ED主題歌)の楽曲提供を行っており、両者の相性の良さはこれらでも証明済み。ホーン・セクションも印象的な、佐藤 準のアレンジによる原曲をテクノポップへと変換し、ロシア製のアナログシンセも導入したサウンドに、上坂すみれの歌声を浮かび上がらせる。

ハイレゾではシンセのキレや炸裂するビートなど、音の勢いや瞬発力が強く感じられる。また音の角がマイルドな、アナログシンセらしい質感もしっかりと捉えており、刺激的でなおかつ心地よいといった具合だ。〈ハラハラ・ドキドキ Dance Dance〉など、キャッチーなフレーズをリズミカルに繋ぐボーカルからは、キュートさが溢れんばかりに弾ける。普段よりもキャラソンのようなガーリーな声質で歌っており、大人っぽい雰囲気の中原めいこの歌声とはかなり対照的だ。それに合わせてサウンドもライトなタッチで仕上げており、それを構成している音のきめ細かさも十分に伝わってくる。あえて時代と逆行するようなスタンスを貫く、アナログでアナクロな(!?)二者による平成のテクノ歌謡を、最先端のレコーディングで収めたハイレゾでぜひ体感されたし。

なお試聴動画には「Round&Round&Round」に引き続き、TECHNOBOYSの脚色&出演によるコントも収録。こちらには上坂すみれも共演している。TECHNOBOYSが参加したのみこのアルバム『のみこのNomical Hystery Hour!』でもおなじみ「アキバ系萌え萌え組」の最新コントを楽しむことができる。

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.中川翔子
Magical Circle

Lantis
2017.11.15

FLAC・WAV 96kHz/24bit、WAV 96kHz/32bit

ハイレゾはこちら

e-onkyo music
groovers
mora

©衛藤ヒロユキ/SQUARE ENIX・「魔法陣グルグル」製作委員会

 収録曲

 1.Magical Circle
   TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.中川翔子
   作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

 2.Wind Climbing ~風にあそばれて~
    TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.奥井亜紀
   作詞・作曲:奥井亜紀 編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

 3.ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット
   TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.上坂すみれ
   作詞・作曲:中原めいこ 編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

 4.Magical Circle (Instrumental)

 5.Wind Climbing ~風にあそばれて~(Instrumental)

 6.ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット(Instrumental)