EGOIST / GREATEST HITS 2011-2017 “ALTER EGO”

2017.12.27

2011年から2017年の間にリリースされた全シングル曲に加え、chellyが厳選したカップリング曲や、「Departures~あなたにおくるアイの歌~」のアコースティックVer.を収録したベストアルバム。全曲、ryo (supercell)によるリマスタリング。

ryo(supercell)がプロデュースを手がけるアーティスト、EGOISTが初となるベストアルバム『GREATEST HITS 2011-2017 “ALTER EGO”』をリリース。2011年から2017年の間にリリースされた全シングル曲に加え、ボーカルのchellyが厳選したカップリング曲や、ボーナストラックとしてデビュー曲「Departures~あなたにおくるアイの歌~」のアコースティック・バージョンを収録。全16曲、ボリュームたっぷりの内容となっている。なおハイレゾはCDのリリース(12月27日)に先駆けて、12月22日より配信が開始されている

全16曲のうち、13曲がアニメタイアップとなっており、TVや劇場で耳にした楽曲が数多く今作には収録されている。TVアニメ『Fate/Apocrypha』OPテーマ「英雄 運命の詩」、TVアニメ『甲鉄城のカバネリ』OPテーマ「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」、伊藤計劃の小説を劇場アニメ化した【Project Itoh】3作品の主題歌、「Door」(『屍者の帝国』主題歌)、「Ghost of a smile」(『ハーモニー』主題歌)、「リローデッド」(『虐殺器官』主題歌)、TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス2』EDテーマ「Fallen」、TVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」EDテーマ「All Alone With You」「名前のない怪物」……などなど、EGOISTファンならずとも曲名と主題歌となった作品名で、曲順がリリースとは逆に並んでいることが、なんとなくわかるかもしれない。最新シングル曲から彼らの出発点「Departures ~あなたにおくるアイの歌~」へと、一つひとつさかのぼりながら、EGOISTの活動の軌跡を辿ることができる。

※「英雄 運命の詩」のレビューはこちら

アニメタイアップ以外では、「Welcome to the *fam」「好きと言われた日」「カナデナル」を収録。

「Welcome to the *fam」は、2016年11月にリリースされた配信限定シングル。「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」で新境地となるサウンドを示したEGOISTだが、さらに彼らのイメージを刷新するような、これまでにはない方向性で楽曲を展開している。PlayStation™Music(PS Music)とのコラボとなるこの曲は、高速ムーンバートンとでもいうようなエスニック・テイストのトラックをベースに、様々な要素を投入してまとめあげたミクスチャーなサウンドとなっている。独特な雰囲気が漂っており、なにより刺激的な仕上がりなのだ。またここではchellyがラップに初挑戦しており、矢継ぎ早にリリックを並べ続ける、これまでになかったボーカル・スタイルがクールでカッコいい。パッと聴きでは英語のように聞こえるが(英語も混じっているせいもあるが)、ゲームについての話をセンテンスごとに切り替えながら、日本語でライミングしているというのも面白い。開放的なサウンドも含めて、ヨーロッパの大バコのクラブで受けそうな感じもあり、海外の音楽潮流に精通したryoのセンスが冴える一曲だ。

「好きと言われた日」も配信限定のシングルで、「All Alone With You」の8カ月後、2013年11月にリリースされた。ゲームのSEを思わせるような電子音のシーケンスとスピード感のある4つ打ちビートにのせて、恋の戸惑いと湧きあがる想いを綴ったナンバー。Aメロではポエトリーなタッチでフレーズを連ねるパートを差し込み、夜中じゅうずっと気持ちが錯綜している様子を映し出したり、後半では背景に “チクタク”とコーラスを加えたり、時間の経過も併せて描写。感情の波とともに次第に高まっていくポップなサウンドや、この曲のテーマを表したラストの展開が清々しさをもたらしてくれる。

「カナデナル」は、2012年12月の3rdシングル「名前のない怪物」のカップリング曲。アッパーでテンポが速い「名前のない怪物」に対して、こちらは流麗な旋律を生み出すピアノやストリングスに、アブストラクトなビートを交えたゆったりとした楽曲。ポスト・クラシカル的な生楽器の優雅さと、ひしゃげたような電子音のいびつさとの、対照的な組み合わせで美の均衡を絶妙に保っている。サウンドは薄暗く、音の深みへとどんどんと沈んでいってしまうような、とても幻想的なもので、壮大な世界観をたたえた歌詞の雰囲気と相まって、現代における吟遊詩人の姿をEGOISTが体現しているようにも思える。

今作では、ryoが全曲のリマスタリングを行っている。今回のベストアルバム(CD)と当時リリースされたシングルを聴き比べると、音像や空間の使い方、低域の出方など、明確な違いが感じられ、曲によっては改めてミックスを施したようにも聴こえるほど(8月にリリースされた「英雄 運命の詩」も今回、ベストアルバムに収録するにあたり、ところどころ変化した部分があり、それを聴き比べるのも面白い)。最新の機材で一つひとつ音を研磨し、今、自身が理想とするサウンド・イメージへとアップデートするryoのあくなき追求が伝わってくる。また音だけでなくボーカルも声の質感やコーラスなどで、また異なるところがあり、これまでの印象をあらたにするような表情をときに感じさせる。音の鳴りの違いはボーカルの響きや聴こえ方に影響を与えるもので、chellyのウィスパー・ボイスに留意したリマスタリングとなっていることがよくわかる。

ハイレゾでは、これらリマスタリングの傾向をさらに推し進めたものとなっており、壮大な物語世界を構成する空間の奥行きや、しなやかな躍動感を生み出すエネルギッシュな音の勢いがますます感じられる。ダイナミックな音の迫力だけでなく、ボーナストラックとして収録されている、「Departures ~あなたにおくるアイの歌~ (Acoustic Ver.)」のように、音の間に横たわる濃密な空気感が伝わってくるのも特徴。ボーカルとアコースティックギターとの一発録りよる今回のバージョンは、声や楽器の存在感や繊細なニュアンスはもちろんのこと、そばにいて寄り添っているような音の雰囲気や、息のあったふたりの気配も捉えたリアルなサウンドに仕上がっている。

EGOIST
GREATEST HITS 2011-2017 “ALTER EGO”

Sony Music Labels Inc.
2017.12.22

FLAC 96kHz/24bit
ハイレゾはこちら

e-onkyo music
mora

 収録曲

   作詞・作曲・編曲:ryo(supercell)

 1.英雄 運命の詩

 2.Welcome to the *fam

 3.KABANERI OF THE IRON FORTRESS

 4.Door

 5.Ghost of a smile

 6.リローデッド

 7.Fallen

 8.好きと言われた日

 9.All Alone With You

10.カナデナル

11.名前のない怪物

12.Planetes

13.The Everlasting Guilty Crown

14.エウテルペ

15.Departures ~あなたにおくるアイの歌~

16.Departures ~あなたにおくるアイの歌~ (Acoustic Ver.)