花澤香菜 / 春に愛されるひとに わたしはなりたい

1年3か月ぶりのニューシングル。水野良樹が作詞・作曲、佐橋佳幸がプロデュースを手がけた清々しいタイトル曲、アコースティックギターが優しく寄り添う「ひなたのしらべ」、シティポップ路線の「夜は伸びる」を収録。

シングルとしては「ざらざら」以来となる花澤香菜のニュー・シングル「春に愛されるひとに わたしはなりたい」。タイトル曲の作詞・作曲は最近では坂本真綾の「CLEAR」を手がけている、いきものがかりの水野良樹。そして、アレンジ/サウンドプロデュースを佐橋佳幸が担当。花澤香菜のボーカルがよく映える、爽やかな楽曲に仕上がっている。

「春に愛されるひとに わたしはなりたい」

春風のようなサウンドが清々しく鳴り響くポップス。メロディーに浮かぶ言葉の一つひとつには、あらたな道を進んで行く決意が込められており、歌声も穏やかながら揺るぎないものを感じる。自らを鼓舞しつつも、それはまた“誰かをおもいやる”歌であり、誠実な想いが詰まった歌詞や、“歩きはじめた 仲間たちの背に 心奮わされて”という言葉に深い共感を覚えることだろう。花澤らしい柔らかな雰囲気の中で花開いた、凛々しくも優しい歌が新しい季節の始まりを告げる。

ハイレゾは分離感が強く、アコースティックギターのしゃきっとした鳴りや、水面の煌めきを映すような鮮やかなシンセの音色も際立つ。光量が増しているような解像感もあり、ハイファイといった感じの爽快な響き。ボーカルは繊細な抑揚の中に、ときには内なる強さを忍ばせていて、それは想いが泉のごとく湧きでるようなイメージ。澄み切った歌声からは瑞々しさがたっぷり感じられる。

「ひなたのしらべ」

佐橋佳幸が作編曲を手がけたカップリング曲。一本のアコースティックギターとボーカルをメインにした構成で、よりシンプルなアレンジとなっている。「ひなた」という曲名で思い出すのは、花澤香菜が演じる、TVアニメ『3月のライオン』の川本ひなたのこと。花澤自身が綴った歌詞からは、ひなたのことをそっと励ましているような優しい眼差しを感じる。この曲を聴いてから「春に愛されるひとに わたしはなりたい」の歌詞を読み直すと、その中に出てくる“あなた”のことがひなたや零、二階堂など、『3月のライオン』の登場人物にも重なるように思えてくるから不思議だ。ハイレゾは、ナチュラルな歌声とマイルドな響きのギターが寄り添う距離感で、アコーディオンやリコーダーの素朴な音色からも、すぐそばで見守っているような親密な雰囲気を感じる。

「夜は伸びる」

こちらも佐橋佳幸の作編曲によるメロウテイストなナンバー。こういったシティポップ・ラインの楽曲は、過去に「Nobody Knows」「今朝のこと」などがあるが、それらよりももっとゆったりとしたもので、どことなく80年代後半のEPOの楽曲などを思わせたりもする。なめらかなホーン・セクション、温かみのあるハモンド・オルガンやコーラスなど、それぞれ楽器の音色がふわりと絡みながら、夜の街を照らし出す。ギターやピアノのアクセントも印象的で、“リズムに乗って”夜をさまよう姿をボーカルとともに浮き彫りにするかのよう。ハイレゾは音のなじみが良く、全体的にまろやかな質感。「春に愛されるひとに わたしはなりたい」とはまた違う音の仕上がりで、ちょっとレコードっぽい雰囲気もある。

花澤香菜
春に愛されるひとに わたしはなりたい

Sony Music Labels Inc.
2018.02.07

FLAC 96kHz/24bit
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mora

 収録曲

 1.春に愛されるひとに わたしはなりたい
   作詞・作曲:水野良樹 編曲:佐橋佳幸

 2.ひなたのしらべ
   作詞:花澤香菜 作曲・編曲:佐橋佳幸

 3.夜は伸びる
   作詞:花澤香菜 作曲・編曲:佐橋佳幸

 4.春に愛されるひとに わたしはなりたい (Instrumental)